「愛さえあればお金はいらない」というのは昭和までの話で、現在は「お金がないと結婚できない」というのが多くの人の共通認識になってきました。男性の場合には年収500万円は必要と言われることもあるほど、結婚条件として年収は重要になります。
では、年収200万円しかないなら、結婚は諦めるしかないのでしょうか?
結論からいえば、年収200万円でも結婚はできます。ただし、問題はそこからなんです。結婚することは相手さえいれば誰でもできます。若い人の中には無職でも勢いで結婚する人もいます。でも、その先に待っているのが必ずしもHappyというわけではありません。
ここでは、年収200万円で結婚ができるのかどうかと、低年収の状態で結婚するとどのようなリスクがあるのかについてご紹介していきます。
年収200万円で結婚するための条件
それではまず、どうすれば年収200万円で結婚できるかについて説明します。ここでは、現在付き合っている恋人がいることを前提にお話します。年収200万円で恋人を作る方法を説明するとそれだけでかなりの文章量になるので、別途記事にしてご紹介します。
- 共働きで世帯年収を400万円以上を目指す
- 生活をコンパクトにする
- お互いが自立してリスペクトしあえる関係にある
まず大事なのは世帯年収です。いくら愛し合っていても世帯年収が200万円ではとても安定した生活を送ることができません。ギリギリの生活ができたとしても、ちょっとしたことがきっかけで簡単に破綻してしまいます。
ある程度の余裕を持って生活したいなら、世帯年収は400万円を目指しましょう。自分自身の収入を増やす方法を考えるか、相手の収入に頼るかはどちらでも構いませんが、基本的には共働きが基本となります。働く気がまったくないパートナーの場合には、結婚は無謀な選択肢になります。
また、夫婦の共通認識として生活をコンパクトにすることも大切です。食事は自炊にして、趣味などもお金のかからないものにする。物を買って満たされるのではなく、ゆっくりとした時間を過ごすことを生活の基本にして、出費を減らすことも大切です。
そして、最も大事なのはお互いが依存し合うのではなく、自立をするということです。「あなたがいないと生きていけない」という関係はお金持ちにしか認められません。そうではなく、それぞれが自立して相手に頼らないというスタンスを保つ必要があります。
もちろん困っているときは支え合うべきですが、パートナーに支えてもらう前提なのは男女ともにNGです。パートナーをリスペクトして、必要に応じて自然と支え合える。そういう関係を築けないのであれば、結婚生活は長く続かないと考えてください。
低収入での結婚は離婚率が高い
身も蓋もない話ですが、低収入で結婚をした場合には離婚率が上がります。
年収300万円以下:離婚率40%
年収300万円以上499万円以下:離婚率30%
年収500万円以上999万円以下:離婚率15%
ある調査によると、このような年収と離婚率の関係が明らかになりました。年収300万円以下で離婚率が40%ですので、年収200万円となるとさらに離婚率が上がるのは明らかです。
年収が200万円しかない場合には、家計のやりくりだけでもストレスになりますし、低年収の仕事の多くが長時間労働、単純労働となり精神的な余裕がなくなってしまいます。そういう状態になると、つい言わなくてもいい余計なひと言を口にしてしまいます。
人によっては暴力という形になるかもしれません。いずれにしても、ほとんどの人が心の余裕を失ってしまい結婚生活を続けられなくなります。自分たちは大丈夫と思うかもしれませんが、少なくとも40%の離婚率があるという現実から目はそむけないようにしてください。
これは結婚する上で大きなリスクです。本当に永遠の愛を誓えるのか。お金がなくてもやっていけるのか、2人でとことん話し合う必要があります。
子どもの可能性を狭めてしまう
夫婦2人なら貧乏でも耐えればいいだけのことです。日々の生活の中にささやかな楽しみを見つけて、それを継続していく。それで何十年も寄り添っている夫婦は少なくありません。でも、子どもが生まれたら状況は一変します。
子どもを1人育てるのにかかる費用は1年に100万〜150万円と言われています。これは生活にかかるお金の平均ですので、倹約を心がければもっと減らすことはできます。でも年収が200万円しかないなら、仮に1年に50万円だとしても、これまでの生活の中から何かを削らなくてはいけません。
ギリギリの生活をしてきたのに、50万円を削るなんてほぼ不可能ですよね。
さらに子どもには学費がかかります。大学卒業まですべて国公立だとしても、約1000万円必要です。奨学金を借りるという方法もありますが、ほとんどのケースで十分な教育をさせてあげられず、中学や高校を卒業するタイミングで就職をすることになります。
子どもが野球やサッカーなどのスポーツをしたいと言っても、それを叶えてあげることすらできません。もしかしたら、その子には野球の才能があって、メジャーリーグで何億円も稼げる選手になる可能性があっても、スタートラインに立たせることすらできません。
それでも子どもはすくすくと育ちます。でも、夫婦での思いが食い違う原因になります。どちらかが、子どもの可能性を狭めてしまうことを負い目に感じるようになると、そこから夫婦げんかへと発展して、家庭内がギスギスします。
定収入で結婚して、子どもが生まれたらどうするのか。これは気持ちだけではどうにもならない大きな問題です。
貧困は孤立を招く
世帯年収が少ない状態で結婚をすると、どうしても友人や知人との関係が浅くなります。時間はあってもお金はないわけですから、お誘いがあっても参加できないことがあり、どんどんと疎遠になっていきます。それに反比例して夫婦や家族だけの時間が増えていきます。
そうすると多くの家族が袋小路へと入ってしまいます。自分に何かあったときに助けを求められる人が周りにいない。知らないうちに孤立しているわけです。それに気づいたときには時既に遅しというわけです。
子どもを預かってくれる人もおらず、悩みがあったときに話を聞いてくれる人もいない。
実際に年収が300万円以下の人の60%以上が、親以外に頼りになる人がいないと答えています。子どもの悩みを聞いてくれる人がいないというのも20%以上。好んでその状態になったわけではなく、貧困は自然と孤立を招いてしまいます。
お金がなくても結婚はできますが、その孤立状態をきちんと想定していますか?孤立しないための準備はできていますか?年収が200万円で結婚をするというのは、このような思わぬデメリットもあるということを覚えておいてください。
まとめ
老後のことを考えれば、結婚することはとてもメリットがありますし、大切な人、守りたい人がいるというのは人生を豊かにしてくれます。でもメリットだけでなく、年収が200万円ではそもそも老後まで一緒にいられない可能性が50%もあります。
低年収で結婚する場合にはリターンよりもリスクが高く、合理性という意味では結婚する意味はありません。でも、結婚は合理性だけでするものでもありません。もちろん、お金がないと生活は成り立ちません。
大事なのは2人でリスクを共有して、想定できるリスクにどう向き合うかを話し合うことです。「なんとかなる」では、なんともなりません。最悪を想定して、それでも2人で乗り越えられるなら、結婚という道を選んでもいいのではないかと思います。