年収200万円なら老後のためにいくら貯めなくてはいけないか

  • 2019.07.10
  • (更新日:2020.07.07)
  • お金
年収200万円なら老後のためにいくら貯めなくてはいけないか

国の試算で老後には夫婦で2000万円必要だと出て、ほとんどの人が軽くパニック状態になったかと思います。年収200万円の低所得者は、考えるのも嫌になってしまい思考停止状態にある人がほとんどですよね。実際に自分のケースで計算した人はかなり少数派です。

でも、老後は誰にでも等しくやってきます。もしかしたら、これからお金持ちと結婚できる可能性もありますし、親の資産が入ってくるかもしれません。でも、同じくらい低収入のまま老後を迎える可能性だってあります。

だったら、自分の老後について目をそらさずにきちんと向き合いましょう。ここでは、年収200万円の人が老後にいくら収入があればいいのかについて、分かりやすく説明します。

まずは年金をどれくらいもらえるのか確認しよう

年金を払っていないという人もいるかもしれませんが、きちんと払っている人は老後の年金について知ることから始めましょう。でも、これは難しいことはひとつもありません。日本年金機構のねんきんネットを使えば、簡単に年金支給額を試算できます。

ねんきんネット:https://www.nenkin.go.jp/n_net/

年金定期便がお手元にありましたら、そちらに記載のアクセスキーを使って簡単にマイページにアクセスできます。ただし、アクセスキーの有効期限が切れている場合には、ユーザーIDを郵送してもらう必要がありますので、5日程度かかります。

ねんきんネットにログインしたら、「年金見込額試算」で試算をするだけです。そこで月々に支給額をチェックしましょう。

老後の生活費を試算しよう

老後の収入である年金が分かったら、今度は出費である生活費を試算しましょう。不透明な部分は多くありますが、まずは現在の生活を続けていくとしたら、どれくらかかるか計算してください。

  • 家賃
  • 光熱費
  • 食費
  • 通信費
  • 衣服費
  • 医療費
  • 日用品費
  • お小遣い

これらにそれぞれどれくらい使っているかリストアップしましょう。その合計額が老後に必要となる出費の目安になります。具体的にどれくらいの費用が発生するか、1人暮らしの例を見ていきましょう。

老後の出費例

家賃:4万円
光熱費:1万円
食費:4万円
通信費:8千円
被服費:8千円
医療費:7千円
日用品費:3千円
お小遣い:1.8万円

合計13.4万円

多少のバラツキがあると思いますが、平均的にはこんなところではないでしょうか。年収200万円ですと、月額の手取りが13.4万円ですので、これで貯金をするのは難しそうですが、話が逸れてしまいますので、ここでは無視してください。

大事なのはこのように計算してみるということです。

老後に必要になる資金を算出する

ここまでくれば後は簡単です。年金額から老後の出費額を差し引いてください。例えば年金が12万円だったとして、支出が13.4万円だとします。

12万円 – 13.4万円 = -1.4万円/月
1.4万円 × 12ヶ月 = 16.8万円/年
16.8万円 × 30年 = 504万円

もし年金支給開始年齢から30年生きると過程すると、504万円不足します。年収が200万円なのに504万円というとかなり大きな額になりますよね。ただ、大事なのはいくら必要になるか分かったということです。これまでは闇雲に不安になっていましたが、これで目標が明確になりました。

  • 老後に必要な資金を積み立てる
  • 年金で暮らせるくらいに生活を縮小する

やるべきことはこのいずれか、もしくは両方です。現在40歳でしたら、年金が支給されるまでに後25年あります。上記の例ですと、1年に20万円貯めるのを目指しましょう。毎月1.7万円貯金すれば老後の生活はなんとか安泰です。

生活も無駄なものはどんどん切り詰めてください。家賃も2万円台のアパートに引っ越し、食事も自炊して2万円以内に抑えましょう。老後になって料理を覚えようとしても大変です。今から料理くらいは自分でできるようになっておきましょう。

年金支給開始年齢までに500万円積み立てて、さらに生活も年金額よりも1〜2万円程度低くなるようにいまから、暮らしをコンパクトにしていきましょう。

ただ積み立てるのではなく運用する

先ほどの計算で不足額分を貯金しましょうとお伝えしましたが、実は不足分を貯金するだけでは足りなくなる可能性があります。実は、今の500万円が20〜30年後に同じ価値があるとは限らないという大きな問題があるためです。

日本は長いデフレの期間があったため、30年前よりも安くなったものもあり、物価が上がるという感覚がないかもしれませんが、国が目指す2%のインフレが実現したとしたら、現在の100円の商品は149円になります。約1.5倍もしますので、一生懸命500万円貯めても現在の333万円の価値しかないことになります。

老後が30年あるとすると、その間もどんどんと目減りしていきます。でも年金額が増えるわけではありません。

実際に日本で2%のインフレが達成できるかというと「かなり難しい」というのが現実ですが、未来のことは誰にも見えません。少なくともここ数年は、ガソリンも小麦粉製品もアイスクリームも値上がりしています。

そうなってくるともった貯めなくてはいけないという理屈になりますが、年収が200万しかないのにそれは無理ですよね。だから、ここでは攻めの資産運用をしていくしかありません。お金に働いてもらって、お金を増やしていきます。

  • 株式投資
  • 債券(国債)
  • 投資信託
  • 不動産
  • 外為(FX)

代表的な投資方法にはこのようなものがあります。これから人口が減っていくことや、元金の小ささを考えると不動産はNGです。金利で言えば債券もお話になりません。虎の子の試算ですから、すべてを失う可能性のある外為も避けてください。

そう考えると、低所得者が攻めの資産運用を行うなら、株式投資か投資信託がベストです。もちろん、いずれもリスクはあります。でも、例えば社会インフラになっている大手私鉄の株なら簡単には紙くずにはなりません。携帯電話会社やコンビニなどもそうです。

そういう安全性の高い株を分散して、購入して資産として持っておきます。基本的に株はインフレに追従しますので、銀行口座に預けるよりも価値が上がっていきます。いきなり儲けるのは難しいかもしれませんが、まずは1年間勉強のつもりで、損を覚悟で株を買ってみることをオススメします。

机上の理論を述べてもおそらく理解できないかと思います。実際に始めてみれば学ぶことがたくさんあり、気付きもたくさん得られます。将来のために株を始めてみてはどうでしょう。

自分であれこれ考えるのが苦手という人は、投資信託でも構いません。お金はその道のプロが運用してくれますので株式投資よりはリターンが小さいですが、リスクも小さく、全財産を失うということはまずありません。自分が取れるリスクに合わせて、最適な方法で資産運用を始めましょう。

まとめ

  • 年金支給額と生活費から老後にいくらいるか計算する
  • 必要となる金額をどうやって用意するか決める
  • 攻めの資産運用でインフレ対策を行う

年収が200万でも、支給される年金だけで生活できないという場合には、きちんと貯金をしなくてはいけません。ただし、闇雲に貯金をすると生活を圧迫するだけですので、まずは年金支給額を調べて、いくら貯金しなくてはいけないのかを算出しましょう。

老後に必要な金額がわかれば、現在の生活をコンパクトにしたり、貯金をしたりして必要な額を貯めなくてはいけません。ただし、将来的にインフレが発生したことのことも考えて、銀行口座にそのままにしておくのではなく、株式投資や投資信託で攻めの資産運用を行いましょう。

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