収入が不安定かつ少ないという人にとって、食費を確保できるかどうかというのはかなり深刻な悩みのひとつですよね。人間はとにかく食べられないことには生きていけません。でも、そうは言ってもお金がない。
とはいえ、テレビ番組で芸能人が1ヶ月1万円で生活するというものがありましたが、それを真似れば食費をしっかりと抑えることができる気もします。1万円生活はともかく、食費だけでも1ヶ月1万円になると、生活がずいぶんと楽になりますよね。
ここでは、1ヶ月1万円の食費で生活できるのか、実際にどこまで減らすことができるのかを分かりやすくご紹介していきます。
主食になるものの食費をチェック
1ヶ月1万円の食費で抑えるなら、もちろん自炊することになりますが、まず決めなくてはいけないのが主食をどうするかという点です。主食の考え方はいろいろありますが、ここでは人間に必ず必要な炭水化物を摂れるものとします。
主食になるものの候補として上げられるのは次の、3種類になります。
- ごはん
- パスタ
- パン
炭水化物という意味では、この他にも豆や芋も主食になります。ただし、日本人の食生活で考えたときには、豆や芋はおかずになることが多いのでここでは省きます。そこで、まずは上記のそれぞれ1食あたりでどれくらいの金額がかかるのか見ていきましょう。
お米(100g・356kcal):30円(10kg・3,000円計算)
パスタ(100g・378kcal):60円
食パン(120g・316kcal):50円(6枚切り1袋・150円計算)
圧倒的にお米が安いことが分かります。パスタもパンももっと安く買うことができますが、お米も同じように安く買えます。そう考えると、やはり主食はお米がベストです。ご飯ですとお弁当にも使いやすく、カロリーもしっかりと摂れます。
食費を抑えたいなら、迷うことなく主食はご飯にしましょう。これを3食・30日で考えれば2,700円しかかかりません。
一汁三菜を基本としてみる
主食がお米なら、食事の基本は和食ということになります。和食の基本は一汁三菜で、汁物とおかずが3品になります。そのおかずも主菜が1品、副菜が2品になります。汁物・主菜・副菜それぞれの食費について見ていきましょう。
汁物にかかる食費
汁物の代表的な料理といえば、お味噌汁ですよね。コンビニやスーパーなどのインスタント味噌汁は1杯100円しますので、それではお味噌汁だけで毎月9,000円もかかります。もちろんそういうわけにはいきませんので、自分で作りましょう。
本格的に出汁をとるという方法もありますが、ここではコスト重視でだし入り味噌を使って計算しましょう。
味噌(16g):9円(750g・400円計算)
豆腐(50g・1/8丁):13円(400g・100円計算)
乾燥わかめ(2g):9円(45g・200円計算)
お味噌汁は1杯31円という計算になります。これを1日3食・30日で計算すれば2,790円です。ご飯と合わせれば5,490円という、やや厳しい結果になってきました。
主菜にかかる食費
食費を抑えるときにポイントになるのが主菜です。残り4,510円しかありませんので、お肉を好きなだけ食べるというわけにはいきません。副菜なしにしても1食50円しか予算がないのですから。こういうときにポイントになるのは野菜です。
キャベツ・1玉:250円
もやし・1袋:30円
玉ねぎ・1個:60円
ピーマン・1袋:100円
なす・1本:60円
大根・1本:200円
ほうれん草・1束:200円
このあたりが、食費を抑えたいときに役立つ野菜です。やはりコスト重視ですと、もやしを使うことになります。もやしは栄養が少ないと思われがちですが、実はそれなりに栄養価があります。
もやし(1袋・243g)
エネルギー:34kcal
タンパク質:4.1g
脂質:0.2g
炭水化物:6.32g
これだけを見ると、やっぱり残念な野菜に思えますが、食物繊維が多く、ビタミンB1・B2も多く含まれています。毎日もやしというわけにはいきませんが、上手に使えば栄養も摂りながら食費をかなり抑えられます。
あとは旬の野菜を使うことがポイントになります。野菜には旬というものがあり、旬とそうでないときでは2倍近く値段が変わることもあります。旬の野菜をベースに、卵を混ぜれば主菜の費用を抑えることができます。
節約料理で卵は必須の食材です。1パック10個入りで200円としても、1個20円しかかかりません。特売の卵ならさらに安くすることもできます。卵もしくは閉店間際で割引になっている合い挽き肉や鶏むね肉を組み合わせれば、主菜の費用を1食50円以下に抑えられます。
副菜にかかる食費
一汁三菜なら副菜は2品ということになりますが、これはシンプルな料理でかまいません。例えばほうれん草のおひたしや、お漬物、納豆でもかまいません。大事なのは主菜にかかった食費とのバランスです。できれば、主菜で購入した野菜のあまりを使って作るのが理想です。
お漬物にしても、きゅうりや大根、ナスを自分で浅漬けにすれば、1食あたり10円もかかりません。できるだけ完成品を買わないというのがポイントです。納豆はさすがに自分で作るわけにはいきませんが、1食20円だと思うと1ヶ月1万円の食費の中では決して安くありません。
副菜は必ずなければいけないというものでもありません。ご飯とお味噌汁に主菜を加えて、そこに予算で余裕があるなら少し加えるくらいの感覚でいてください。予算としては10〜20円に抑えて、栄養バランスも考えた上で、必要なときにだけ加えるようにしましょう。
コンビニは絶対に使わない
1ヶ月の食費を1万円以下に抑えたいと考えたときに、コンビニが最大の敵になります。食材はスーパーよりも高くなりますし、あれもこれも欲しくなります。スーパーが締まっている時間に、どうしても食材や調味料が必要になったときは仕方ありませんが、原則コンビニはNGです。
基本はスーパーで、可能であれば見切り品を中心に選びましょう。ただし、安いからという理由だけで買うのはいけません。本当に必要なものを1週間分まとめ買いしてください。このときの予算を、お米を除いて1,500円以下に抑えることができれば、1ヶ月の食費は1万円前後に収まります。
1週間の食材費が1,500円だと思うと、間違ってもコンビニでは買い物できませんよね。コンビニは便利ですが節約にはまったく適していないので、近寄らないのがベストです。
ドラッグストアを活用する
食材はスーパーで買うものと思っているかもしれませんが、賢い消費者はスーパーではなくドラッグストアをメインに使っています。ドラッグストアにもよりますが、それなりの規模になると、かなりの食材が揃います。
例えば、卵6個パックが70円くらい、もやしが20円、6枚切りの食パンが80円。それらがさらに割引されていることもあります。調味料も豊富で、激安食材の宝庫ともいえるのがドラッグストアです。さすがに野菜やお肉は売っていないかもしれませんが、豆腐や納豆などはあります。
食材=スーパーと思っていると、食費を抑えるのが難しくなります。ドラッグストアだけでなく、野菜の直売所なども探し出して、食材にかかる費用を徹底して切り詰めてみましょう。
玄米ごはん×納豆×生卵×味噌汁をベースにする
自炊するのが面倒だという人や、料理が苦手という人におすすめなのが「玄米ごはん×納豆×生卵×味噌汁」という組み合わせです。これなら1食100円以下に収まり、さらに栄養バランスもそれほど悪くありません。
これをベースにして、余った予算で野菜を買う。とてもシンプルな献立になりますが、健康を維持しながらも節約できる最強レシピのひとつです。玄米ごはんと卵と味噌汁で雑炊を作ることもできますし、玄米ごはんと卵でチャーハンも作れます。
このようなアレンジもできる組み合わせで、飽きにくいというメリットもあります。玄米ごはんに好き嫌いがあるかと思いますが、こういう選択肢もあるということを頭にいれておくといいでしょう。玄米ごはんが苦手という人は、麦を混ぜたご飯でもOKです。ぜひ試してみてください。
まとめ
美味しいものをたくさん食べて、食費を1ヶ月1万円以下にするのは不可能です。でも、体にいいものを食べて1ヶ月1万円以下にすることは可能です。美味しいものを食べたいという気持ちは分かりますが、食費をそれほどかけられないなら、ご飯をベースとした粗食を心掛けましょう。
ご飯を玄米にして、お味噌汁を飲めば、それなりに栄養を補給することができます。そこに、卵や納豆などの豆類でタンパク質を補うことができれば、かなりの運動量がある人でなければ、栄養不足になるということもありません。
それをベースにして、予算の範囲内で野菜やお肉を買うようにしましょう。買い物はコンビニを使うのではなく、スーパーやドラッグストア、直売所などを上手に使い分けて、できるだけ安く手に入れるように心掛けてください。